[コミック] 「コンプレックス・エイジ」を読んで思ったこと(+理想の結末)

第63回 ちばてつや賞を受賞された、佐久間結衣さんの「コンプレックス・エイジ」がネットで公開されています。受賞、おめでとうございます。

コンプレックス・エイジ/佐久間結衣 - モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイ

第63回 ちばてつや賞

34歳、ゴスロリ趣味という、世間的には“適齢期”を過ぎた趣味をもつ主人公(女性)が、加齢と趣味の狭間で悩んで、最後に…というお話です。

非常に興味深く、読みました。そして、考えました。


結末について、最初は本人が納得してやってるならそれはそれでありなのかな…とも思いましたが、一方で、そんなに簡単に自分が二十年間も大切にしてきた趣味を捨てられるものなのだろうか、とひどく疑問に思いました。

個人的に一番すっきりしないのは、この主人公がとても恵まれた状況にありながら、自らの手で一番大切にしていた趣味を捨て去ったことです。

どれだけ幸運かって、①結婚できている、②旦那が趣味公認の2点ですよ!


結婚という人生の一大イベントをクリアするため、本当に大好きだった趣味を捨てるとかなら、まだ話はわかります。
でも、素敵な旦那がいて、その旦那が趣味を公認してるんですよ。
しかも、「ゴスロリは家の中だけ許可」とか言わずに、その格好で外に一緒に食事に行くという環境ですよ。

おいおい、どんだけお前、恵まれてんだよと。
何とか結婚はできたけど、本当に大好きな趣味は隠してますとかそんな奴だっているし、この趣味は大好きで大好きで捨てられないから、俺は一人で墓場に行きますって奴だっているわけでしょ。

それが結婚できてて、趣味公認なんてなぁ、どんだけ羨ましいかっていう。


で、年齢を気にされてるんですよね。
でも、年齢って、僕は結婚の時くらいしか関係ないと思うんですよ。

すでに結婚しているあんたが、何を年齢気にするのかと。
だいたい34歳ですよね。若いじゃないですか。
50代です、60代ですだとちょっと話は違うけど、30代や40代なら、年齢よりも素材でしょ。

自分が大好きなことをして輝いていて、他人にも思いやりのある美しい34歳と、自分勝手なことばっかり言って他人に配慮できない、若さだけの20代だったら、34歳の勝ちなんじゃないの?

それに太ったとかなんとかって、別にぽっちゃり体型でも無いし、ガンタンクってわけでもないじゃないですか。


僕から見たら圧倒的な勝ち組にいる主人公が、それまで20年も大切にしていた大切な趣味を、自分のことを直接言ったわけでもない職場の人の発言や、空気も読めない20代バカ女の発言に気持ちが揺らいで捨ててしまったのが、残念でなりません。


ちなみに勝手にイメージしていたエンディングは、主人公は会社を辞めて家庭に入り、家の中でもゴスロリ・ファッションをするように。
でも、家事は完璧にこなすよ!

で、自分を趣味も含めて愛してくれる旦那様を大切にし、いつしか女の子を出産。

最後はベタだけど、小学校低学年になったお子さんに可愛い服を着せて、親子二人で手をつないで歩いていて、作中にも登場した友人とイベント会場で再会しているところ。


僕は漫画は、理想を追求していい世界だと思っています。
現実にはそれは厳しいんじゃ…と思えるかもしれないけど、そうだったら素敵だな、憧れるな…と思う世界が存在することが許される。

だから僕は、主人公には、周りが何を言おうとも、自分が好きなものは好きと貫き通す、凛とした美しさを持って欲しかった。

何となくわかったような、大人になったような対応をして、きれいに収めては欲しくなかった。
あがいて、あがいて、「お前もいい年なのに」って旦那様にからかわれても、娘の友達に「歳の離れたお姉ちゃん?」って間違えられるのが理想とうそぶき、一生懸命がんばって肌の手入れをしている素敵主人公でいて欲しかったです。

んー、まぁ、そうするとあんまり漫画漫画しすぎて、現実感が無くなっちゃうのかな。



僕も、もう三十後半で、でもオタク趣味は今でも捨てられなくて、一度結婚したけど離婚してって状態だったので、何というかこう、主人公の気持ちはわからないではないけど、「お前なぁぁぁぁぁっぁ」という心の叫びもあり、ついつい書いてしまいました。すみません。


ゴスロリ趣味の34歳女性が、趣味と年齢とのギャップに悩む漫画が話題に!あなたはその趣味、いくつまで続けられますか? : オレ的ゲーム速報@刃