これを見れば、より一層「射手座の日」が楽しめる! 銀河英雄伝説入門


■「銀河英雄伝説」最高の宇宙艦隊戦が楽しめる第19巻

銀河英雄伝説 Vol.19 [DVD]

銀河英雄伝説 Vol.19 [DVD]


涼宮ハルヒの憂鬱射手座の日」で、音楽まで似せて作られていた元ネタが、この銀河英雄伝説の第19巻です。この19巻は、数ある銀河英雄伝説のDVDの中でも、最も気に入って、繰り返し見ている巻です。 

自由惑星同盟がその存亡をかけて銀河帝国と戦った最後の戦いである「マル・アデッタ星域会戦」。 たたき上げで老練の名将ビュコック元帥(自由惑星同盟)が、猛将カールセン提督や、堅実なモートン提督を率い、質・量ともに圧倒的な戦力差で押し寄せる、皇帝ラインハルト率いる銀河帝国軍を相手に、最後の意地を通し、一矢報いるその展開には、血が熱くたぎるものがあります。

銀河英雄伝説は、その艦隊戦こそ、男の浪漫だと思います。 そして銀河英雄伝説の艦隊戦の中で、最もアニメーション的にも素晴らしいと私が思っているのが、この「マル・アデッタ星域の会戦」です。 もし、銀河英雄伝説のアニメーションを未体験の方で、「1本だけ体験してみて、それから他の巻を見るかどうか決める」というのであれば、最高のカタルシスをもたらしてくれるであろうこの巻を、私は強くオススメします。 はっきりいって、人生が変わる可能性すら、あります。 


DVD発売後、すぐに購入したこの巻を、私は折に触れ、何度も何度も繰り返し観ています。 だからこそ、涼宮ハルヒの憂鬱で、この「マル・アデッタ星域会戦」の際に使われた音楽が、アレンジして流れてきたときには、背中がゾクっとしたものです。 他にも、艦隊が攻撃されて、爆発していくシーンなども、明らかに銀河英雄伝説をネタにしていますので、未体験の方には、本当にこの第19巻をオススメします。

なお、この第19巻は、私が心に決めている、自分が死ぬ前に鑑賞したいアニメ作品の、ひとつです。



■「銀河英雄伝説」男とはかくありたいものだ・第25巻

銀河英雄伝説 Vol.25 [DVD]

銀河英雄伝説 Vol.25 [DVD]


銀河英雄伝説のDVDで、艦隊戦が第19巻であるなら、人として、男としてどう生きるか、その生き様に惚れるのが第25話です。 

先の19巻の「マル・アデッタ星域の会戦」で、最終的に自由惑星同盟は滅亡し、以後は、新領土総督として赴任したロイエンタール元帥が統治することになります。 ロイエンタール元帥は、ミッターマイヤー元帥とともに、ラインハルトの銀河帝国創世期から活躍する稀代の名将であり、両者の友誼は、つとに良く知られたものでした。

そのロイエンタール元帥が、狂信者である地球教徒の陰謀もあったとはいえ、自らの矜持を胸に、ラインハルトの銀河帝国に対し反旗を翻し、刎頚の友であるミッターマイヤー元帥と戦った、帝国の双覇戦。 この第25巻は、ロイエンタールの反逆が明らかになったところから始まり、軍を編成し、戦場で両者が激突し、激しい戦いの末に敗北。 そしてロイエンタール元帥が、その英雄たるに相応しい最期を遂げるまでが、描かれています。

銀河英雄伝説では、数多くの名将が、冥界の門をくぐって行きます。 中でもキルヒアイス提督の最期、ヤン・ウェンリー提督の最期、そしてロイエンタール元帥の最期は、いずれもファンにとって忘れ得ないシーンでありますが、私自身の場合、キルヒアイス提督やヤン提督の場合、辛くて繰り返し見ることができないのですが、ロイエンタール元帥の最期については、何かこう、非常に大切なものを教えられる気がして、ときどき思い出したかのように鑑直しています。 (ちなみに、先の第19巻は、ビュコック提督の最期でもあります。) 

自分はぶっちぎりでミッターマイヤー元帥が大好きで、自分の理想の人物像のひとりでありますが、その一方で、このロイエンタール元帥にも、その危うさも含め、ひどく惹かれる自分がいることも、理解しています。 人は、その最期のときには、その人なりの人生が凝縮されるものだとおもいます。 その行動も、その言葉も。 最期の時に向かって、その濃度をどんどん上げていくものだと思います。 

この第25話は、確かに非常にオススメなのですが、全く銀河英雄伝説が未体験の方が観るよりも、銀河英雄伝説を観て、オスカー・フォン・ロイエンタールという人物を知るようになってから、初めて観ていただいた方が、よろしいかと思います。 しかし、とにかく、銀河英雄伝説DVDの中でも、屈指の名盤であることは、疑いありません。


もし何か、自らの人生を強く変えるきっかけとなるようなアニメを探しているようでしたら、上記2本を、強くオススメいたします。 ビュコック元帥の最期、ロイエンタール元帥の最期に、自分はどう思うのか。 じっくり考えてみて頂きたい。